085871 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

SweetPain

愛 2





「アナタ」

スキヨ アナタガ ダイスキヨ


キライ アナタナンカ ダイキライ


ドッチ
エランデモ




アナタシカ イナイジャナイ












「ぬくもり」

生々しい温もり
口づけなら
瞳の横に して欲しかった


あなたの残した言葉は
歌となって
この胸に響いたの


すべるような肌を
子供みたいにせがんで


求めたのはにおい


あなただけの におい


生々しい温もり
知るために
抱かれる以外 方法がなかった


冬が来て
凍えた手


重ねた手のひら
指と指のすきまに やわらかな温もり


ただ


それだけで良かったのに








「楽器」

私の体を奏でてください


その指で
その五感で


からっぽな空間に共振をつくって
音の洪水に飲み込まれましょう


そして
沈めて


チューニングなんか まるで意味がないのだけれど


似合うのは
狂気でつくった透明の弦に
少し棘のある指


しなやかな細い指


ひんやりと
やさしくなんかないほうが いいね


どんなに冷たくたって
この体は熱を帯びてる


自分勝手な旋律 奏でたがってる


私が選んだ貴方だけに


その指で
その五感で


からっぽな空間に共振をつくって
音の洪水に飲み込まれましょう


そして
沈めて


今だけを鳴らし続けて


それだけでいいの
それだけしかいらないの


冒涜したがる自分を笑って
そして
今だけを鳴らし続けて


私の体を奏でてください


からっぽな この 空間を










「光」

思い出だけが感情を駆け巡って
今日の死にゆくときを迎える


光なら差していますか?
貴方の目元に
確か 玉虫色の光は差していますか?


この私の胸元に


連れて行ってください


私はくりみ割り人形


物語なら貴方が創って


光なら差していますか?
貴方の目元に
確か 玉虫色の光は差していますか?


取り巻く全てのものたちに
私の想いは
届いていますか?


どこまで・・・届いてる?








「珊瑚」

この身体を
貴方は覚えている?


沈む夕日に
胸は
痛むのかしら?


どこか遠くに見えた空


冷たい小指を探して
見果てぬ夢を追いかける


小波が喉をさらって


涙は何を歩かせる?
私に何を歩かせる?


疑問系
全部 ぶちまいて
笑うなら
罪を噛み砕いてからがいいわ


夕日の遠くに見えるのは
まだ見ぬ明日への気配


交じり合ったもの
一つになって
交じり合ったもの
私を照らす


少しだけ歩く 海原のその先へ
諦めを背負い
抱えきれない想い 全て抱えて
 

それなのに・・・


キレイなままでいさせて


それなのに・・・


この足が触れたのは
確かに
珊瑚の欠片
貫くほどに
貴方の欠片


何処に漂う?
貴方を貫いたまま


狂おしいほど海に溺れて


何を求めるの?


海原にたたずむ 珊瑚のように
あの日求めた 夕日のように


私は 何を?








「小指」

同じ虹を見たという人と
同じ花の前で出会った


甘い甘い蜜の香
きっと明日になれば
また変わってしまうのだろう


その時
その一瞬の
甘美なる体験に


どちらともなく
内緒よ、と
指切りをした


小指を先に出したのは
多分
貴方


それからというもの
何事もない日々を
当たり前のように
演じてきたのだけれど
その時点で
何事もない日々なんか
作り物で


切った小指に
二度目はないと思っていたのだけれど


私は求めてしまった
貴方も求めてしまった


秘密の小指は
約束の小指だった


愛されてなどいない
愛してなどいない


求められてるだけ
求めてるだけ


それなのに
別の場所で見た筈の
同じ虹が脳裏に浮かんだのは何故?


でもね
思うの
甘い罪の蜜に誘われた二人だもの
貴方の束ねた幸せと
私の束ねた幸せは
きっと一緒にはならない


そう思いながら
また小指を切って


同じ虹を見たという人と
同じ花の前で出会った


甘い甘い蜜の香
きっと明日になれば
また変わってしまうのだろう


それでも求めてしまうのだろうか?


幸せを枯らして
全てを失っても








「情熱」

狂おしいほどに狂っている貴方の
思い通りになりたいわ


握って 掴んで 離さないほどの
情熱を 頂戴


時間ならとっくに過ぎてるのよ


これ以上 私を飢えさせないで


狂おしいほどに狂っている貴方の
思い通りになりたいの


感じるものだけ あればいい


認めたりしないで
だけど
この声に 反応して


ねえ


握って 掴んで 離さないほどの
情熱が欲しいの


揺すって
揺すって
私を揺すって


お願い


狂おしいほどに狂っている
貴方








「赤い糸」

あの日 二人で重ねた両手
血を焦がし
愛を
誓った


塞がらない傷口は
貴方への想いだと思ってた
ずっと
ずっと


泣き叫び 名を呼ぶ声と
重ねられた 手首の絆は


いつしか
赤い糸となって
若い二人の
首を締め付けた


    手放せば楽になれるのかしら?


思ったときには もう
どうしようもなく
糸は拗(こじ)れて



憎しみも
赤い色をしていたと
気づいたときには
何もかもが遅かった


    愛を誓った手首の絆と
    血を焦がした赤い糸
    そして
    憎しみの赤い声


複雑に縺(もつ)れて



貴方は一体 誰を抱いたの?


    問い詰める言葉は
    声にならず
    喉からは
    憎しみの赤い声


ぐるぐる ぐるぐると
私を巻きつけて


抱かれていれば 何かが違うの?


    愛を乞う言葉は
    声にならず
    喉からは
    血の色をした赤い糸


ぐるぐる ぐるぐると
私を巻きつけて


    まるで 芋虫みたいになった私は
    ずっと その場にうずくまったまま


愛した貴方は
また別の誰かの手をとり
何色かの糸を紡ぐのだろうか?


誰かを抱くのだろうか?


ねえ 一つだけ聞いてもいい?


いつになったら私は 動き出せるのかしら?
この糸は ほどけてくれるのかしら?



    血を焦がした
    狂おしいほどの愛と
    身をちぎるような憎しみの


赤い糸








「美しい生贄」

この世にある素敵なものを
全て集めたら
それは
貴方になるのだろうか?


こみ上げてくる思いの
全てを集めたら
それは
貴方になるのだろうか?


私だけの貴方に


指折り数えて この手を待って


誰の声かと気にも止めずに
瞬きは 羽ばたいた


指折り数えて この手を待って


この手が求める貴方のかたち
なぞって
指先から 此処に


脳天に雷鳴 聞かせてよ


此処には獣が住んでいる


愛を貪る獣


この世にある素敵なものを
全て集めたら
それは
貴方になるのだろうか?


私だけの貴方に


早く


早く来て


私だけの生贄


美しい 貴方


© Rakuten Group, Inc.